中1の終わり。早稲アカでは「必勝ジュニア」の対象者が発表されます。
この時期は、子供以上に、
親の方がドキドキしているかもしれません。
我が家もそうでした。
塾が終わるころ、
そらまるからLINEが来ました。
「僕、入ってた!」
その瞬間、私は「祝」と書いた紙を
割りばしに張り付け、
即席の旗を振りながら、
玄関前でそらまるを出迎えました。(笑)
親子で喜んだことは言うまでもありません。
しかしーー
手放しで喜べる我が家ではありませんでした。
なぜなら、必勝ジュニア基準の3つうち、
そらまるが達していたのは、1つだけ。
そして何より、
そらまるは普段の宿題ですら、
自己管理ができていないタイプだったからです。
とはいえ、
そらまるの土日は、常にゲーム三昧。
そらまるに足りないのは、”勉強時間”でした。
正気に言えば、私はこう考えました。
たとえ必勝ジュニアが、
そらまるのレベルに合ってなくてもいい。
とにかく”勉強時間”を買いたい。
しかし、ここで、
先生から伝えられた言葉で、
我が家は、必勝ジュニアに通うことをやめました。
ここでは、
そのとき先生から言われたそのままを、
書いてみたいと思います。
中2必勝ジュニアの対象基準
中1の3月。そらまるが嬉しそうに
必勝ジュニアのプリントも持ち帰ってきた。
4月の日曜に2回行われる、
英語と数学の集中特訓の授業である。
※当時の内容のため、ご確認お願いします。
【特徴】
・エキスパート講師が始動
・開成・国立・慶女の入試問題レベルの内容
・開成・国立・慶女を目指すライバルに差をつける
・1つのテーマを集中特訓授業で完璧に
・近隣校舎のライバルと切磋琢磨できる環境
時間|13時半~16時、16時半~18時45分
【必勝ジュニアの対象基準】
以下3つのうち、1つでもあれば対象。
・選抜試験でSまたはAランク合格者(そらまる)
・難関チャレンジ3教科偏差値60以上
・駿台3教科偏差値60以上
そらまるは、選抜テストで、
初めてA合格という奇跡を得ていたため、
対象者となった。
それで、
ニヤニヤとしながら
嬉しそうに帰宅したのである。
私も、旗など振って一瞬は喜んだ。
しかし、開成・国立・慶女レベルの内容を
・勉強面に全く自己管理ができていない
・今回は、運よく、初めてのA合格。
・他2つの基準には達していない
そんなそらまるが
受けるような授業であろうかと
すぐに我に返った。
そこで私は、
さっそく数学の見守先生に相談した。
(見守先生は、必勝講座を受けもつベテラン先生である)
必勝ジュニアに参加するのは、どんな子たちか
見守先生はこう話された。
「必勝ジュニアとは、
筑駒や開成を受ける子に向けたものなので
とても難しい問題を出されます。
そらまる君は、
英語は楽しめると思います。
でも正直、
数学はちんぷんかんぷんかもしれません。
ハッキリ言って
「まず君には、
やるべきことがあるだろ!」
って感じです(笑)
ただし、
本人が受けたいと言うなら、
「君はまだそんなレベルではない」
などと引き止める必要は、全くありません。
ハイレベルな問題を見て聞いて経験値を積むのは、
全く無意味ではないです。
みんなの凄さを知ることも、
やる気のきっかけに繋がる時もあります。
ただ、これを受けたからといって、
そらまる君の数学の成績に繋がるかというと、
そうではないということだけは、
ご了承した上で、ご検討ください。」
必勝ジュニアとは、何のためにある講座なのか
では、必勝ジュニアとは一体何か。
見守り先生は、
このことについて、話を続けた。
「大規模校舎の特訓クラスは、
開成国立クラス、
早慶上位クラス、早慶下位クラス
このように、3つにレベルを分けて
授業を行っています。
しかし、小規模の校舎では、
特訓クラスが、1クラスの場合があります。
その中では、1番の子と最下位の子の差が
ものすごくあります。
上位層の子達には、
ちょっと退屈を感じる授業になったりします。
そこで、
この必勝ジュニアによって、
上位層の子達のレベルに合わせ、
「筑駒開成レベルの授業を受けさせる」
という意図があるのです。
うちの校舎は(大規模)
レベル別にクラスを分けているため、
開成国立クラスの子達は、
その難易度で、常に授業が出来ています。
ですから、うちの校舎の子には、
基本、この必勝ジュニアは必要ない
と言えます。
でも、「僕はこの基準に届いたんだ!」
という気持ちによって、そらまる君に
上昇願望が芽生えたなら、それは素晴らしい。
引き止めてやる気をそぐより、
「受けてこい!」という応援は
本人にも良い影響となるとは思います。」
とは言いながらも、
最後はこのように話を終えた。
「ただ、今そらまる君に必要なのは
やっぱり自己管理です。
それに尽きます。
“そらまるは、新クラスのみんなと
授業中の理解力は変わらない。
でも、そらまるとみんなの違いが
1つある。
それは、宿題への取り組み方だ。
みんなは、宿題を丁寧にやっている。
1週間で定着するところまで仕上げてくる。
これは、
自己管理が出来ているということ。
そらまるに足りないのは、自己管理だ。”
私は、そらまる君に、
いつもそう言い聞かせています。」
上昇願望と自己管理、その狭間で我が家が選んだ答え
ここまでを聞いて、
”早慶を目指すそらまるには、
現実としては必要のない講座”
ということは、理解できた。
では、
「僕は基準に届いたんだ!」
という上昇願望
ここについては、どうであっただろうか。
数日後の夕食時、そらまるが聞いてきた。
「必勝ジュニア、申し込んだ?」
「まだだよ。そらまるの気持ちを
しっかり確認してなかったし。
行きたいなら申し込むよ?」
と答えると、そらまるは黙った。
しばらくすると、
後片付けをしていた私に、
ふいに言葉を投げてきた。
「じゃあ、その日曜は、
”家勉”しなくていいね」
…そうきたか。
勉強をしない。自己管理できない。
そんなそらまるに対し、
塾は、約束をさせていた。
”塾のない日は、
90分丁寧に宿題をすること”
そらまるがしばらく黙っていたのは、
あることに気づいたのだ。
”ん?待てよ。
土日は、
90分宿題やる日。
必勝ジュニアの日は、どうなる?
90分の宿題もやるのか?
いや、大丈夫だ。
約束は
”塾のない日”だ。
必勝ジュニアがあるなら
”塾がある日”ってことになる。
そこは、
はっきりさせとこう。”
そして、
先ほどの言葉に繋がるわけだ。
「日曜が必勝ジュニアなら、
土曜の勉強時間をすこし増やすとか
調整して、宿題を終わらせる。
それがいつも先生から言われている
自己管理ってことだよ。」
すると、そらまるは、一言。
「無理。」
……即答であった。
そして、そらまるは、
それ以降、必勝ジュニアの話は
一切してこなかった。
こうして、我が家が
上昇願望に乗っかって申し込む
ということはなかった。
そして、そもそも、
今のそらまるに必要なのは、
開成レベルの難しい授業ではなく、
宿題を丁寧にやること。
それに尽きた。


