次の授業まで1週間の過ごし方 - ポジノー勉〜ポジティブ・ノー勉~

次の授業まで1週間の過ごし方

中1

今回の記事は、早慶上位クラスの生徒たちが次の授業までの1週間をどのように過ごしているか、見守先生から受けたはなしを記しておきたいと思う。

それは、そらまるにはいまだにない1週間である。(それをすでに中学生がやっている)

数学の定着

以下、見守先生の言葉である。

「そらまる君の新中2早慶上位クラスは8名。みんな数学の強い子ばかりです。

そらまる君はこのクラスに入り込み、私は良かったと思っています。

授業の始めに必ず小テストを行っています。その結果によって居残りをさせるんですが、先日居残りはそらまる君だけでした。

みんなはパーフェクトに取れている。
これが今までとは違う1つ上のクラスです。

そらまる君は、自分だけが無残な結果だと知り、とても恥ずかしそうにしていました。

これは、いい状況だなと思いました。
自分の甘さを自覚させるチャンスがきたなと。


そらまる君は早慶上位クラスの中で、理解力はあります。授業内では理解できています。
そらまるくんより理解が遅い子は数人います。その中で1番理解の遅い子ももちろんいるわけです。

でも、1番理解が遅かった子も今回の小テストはパーフェクトです。

みんな、1週間で完璧に定着させて仕上げてきます。

この定着の作業をそらまる君はしてきません。1年生の早慶クラスのときから、私がずーっとそらまる君に言い続けていることです。

そらまる君も宿題はやってきてはいます。丸付けまで終わらせてきています。

授業で理解していても家で宿題をしている最中は、みんな「あれ?どうやるんだっけ?」となります。
そのとき、授業ノートを見返したり解説を読んだりして思い出す作業が必要です。
そらまる君は、ここまでやって丸付けまでして次の授業に来ています

ここまでやると、本人は分かったような気はしてます。しかし、小テストを受けたら解けません。

ここまででは、ノートや解説という補助を受けて解けたという段階だからです。ここで終わらせていたら定着にはなりません。

このあと、補助なしで自力で解ける、だけでなく、パーフェクトに解けるまでに仕上げてくる。
ここまでやって次の授業に来なければなりません。

そらまる君は、非常にだらしないのでこの自己管理能力が最低レベルです。
前回の居残りもですが、今までもそらまる君に居残りをさせた時、私は何をしていると思いますか?

この自己管理の大切さをそらまる君に説明しているんです。

それでも、次の週もこの「定着までをして来ない」の繰り返しでした(笑)

しかし、今回この1つ上のステージのクラスに来て、私は「この子は、周りがみんな出来る子の中に放り込んだ方が向いているタイプなんだな」と思いました。

そらまる君は、大人がどんなに説明しても右から左ですが、出来る子達の中にいて初めて何かを感じている様子です。

そらまる君は、自己管理能力が数学アップの鍵ですから、この恥ずかしさを感じる環境の中でどこまで成長してくれるかですね。

まあ、そらまる君は居残りでの私の説明にいつも神妙な顔をして返事はしてくれても、期待した私を常に崖から突き落とすので、今回もやすやすとは期待はせず、しつこく嫌われてもどこまでも追いかけて言い聞かせるつもりです(笑)」

このような塾の様子など私には全く知らぬ世界であるため、こうして聞かせてもらえることは本当に有難かった。

そして、そらまるの「神妙な顔で聞いてくれた」「まっすぐな瞳で返事をしてくれた」というのは、小さい時から常にあらゆる先生に言われてきたが、必ずオチとして「だけど次もやって来ませんでした!」と続く、一連の流れなのである。

しかし、そらまるの唯一の救いはどこか憎めないという点である。(漫画のような男だからであろうか)それゆえ、今までそらまるの人生で先生という存在から嫌われたことが1度もなく、愛想があるわけでもないのに可愛がられるという不思議な子でもある。

そういった人柄という点は、そらまるの大きな武器であろう。

どこにいても変わらない

しかし、その後もそらまるが「恥ずかしい」という想いによって変化することはやはりなかった。そんな簡単な男ではない。(悪い意味で)

残念ながら見守先生の「やすやすとは期待せず」という言葉は大正解となり、そらまるはその後も見守先生を崖から突き落としていた。

そして、このあと案の定早慶下位クラスにクラス落ちし、そこから中3までを見て頂いた恩師である恩田先生に引き継がれることとなるのだが、その恩田先生から中2の冬に衝撃的な連絡がきた。

そらまる君を、あえてレギュラークラスに1度さげたほうがいいのではと会議で上がっています。

僕は勉強しなくてもなんだかんだ早慶下位クラスに残留できてるという積み重ねが、そらまる君の中に根強くあるので、1度レギュラークラスに下げて挫折を味あわせて「早慶クラスに戻りたい」「勉強しなくては残れないんだ」という気持ちを、中2のうちに芽生えさせた方がいいのではと考えています。」

私はこの話に動揺した。「でも!早慶下位クラス基準を合格できているのに、あえてレギュラークラスに下げるなんてそんなことできるんですか!?」と。

すると「できます」と言われた…「緊急措置としてできます」と言われた…


緊急措置ってどんだけだよ
“(-“”-)”!!!


しかし、数日後恩田先生から連絡がきて


「やっぱりそらまる君は、これからも早慶下位クラスになにがなんでも引っかからせます。あの会議のあと、私はかなり長い時間考えまして「そらまる君はそのクラスのビリになる子だ」と思い直しました。

そらまる君は自分に非常に甘い子です。もしレギュラークラスにいれたらレギュラークラスのビリに鎮座するでしょう。

だとしたら、やっぱりこの子はお尻を叩きながら早慶下位クラスのビリにとどめておき、とにかく早慶の勉強をさせながらそらまる君の成長を待つしかないと思いました」

このように文章にするとなんとも失礼なことを言われているのだが、恩田先生の愛あるお言葉であった。

すでに見守先生からは「出来る子の中に放り込んでおいたほうがいいタイプ」と言われていたわけだが、その数か月後の会議では「一旦下げて挫折を味合わせる案」が出て、しかし「そのクラスのビリになるタイプである」という結論となり、結果やはりそらまるは「出来る子の中に放り込んでおいたほうがいいタイプ」と位置づけられた。

考えてみると、塾でも中学校でも高校でも常にクラスの成績下位層とし鎮座していたが、そらまるはそれを恥ずかしいとも悔しいともなにも思っていなかった。
マイペースな子というのは、他者と自分を比べないため競争心を煽っても心が凪なのである。常に自分にしか興味がないのである。

そらまるの辞書にライバルという文字はない。













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