第1回はA合格と余裕であったが、第2回でC合格と雲行きが怪しくなっていたそらまるは、ついに第3回で不合格となった。
テスト終了後すぐに、校舎内の生徒達のみの採点と平均点をだし、それによってなんとなくの全体の予想をつけ、クラス残留が厳しそうな生徒には連絡が来るため、テスト後から結果が出るまでの数日間は、家の電話が鳴るたびに飛び上がる毎日となる。
今回、合格は厳しいでしょう
そらまるは、英語が得意、数学が中の下、国語が下の下という生徒。そのため、ワセアカの作戦としては、数学を引っ張り上げ「英語が武器、数学はまあまあ、国語はドボンだけは避けろ」で行くと伝えられていた。
うちの校舎では、このようにして3教科の講師達が集まって定期的に話し合い、それぞれの生徒の戦い方への作戦を練っていた。この作戦としては、そらまるを受け持つ3人の講師の中で1番責任重大な役割を担っているのが、数学の講師となるわけだ。
といういこともあり、我が家は常に数学の講師と密に連絡を取っていて、勉強面だけでなく精神面でも母子共に大変お世話になった。1年の時の数学担当見守先生と、2,3年で数学担当となった恩田先生には足を向けては寝られないほどに。ということで、この日、見守先生から連絡がきたわけである。
「そらまる君は今回、数学が60点でした。選抜クラスの平均は70点、レギュラークラスの平均は55点。
私の見解は、数学が嫌なそらまる君としては、今回頑張れたなと評価しています。
テスト1週間前から自習室に来るようにさせてたんですが、分からないところは私に質問に来て頑張ってくれた甲斐があり、ここ数か月の下降を、粘って上向きにあげてくれたなという風に見ています。
12月には、難関チャレンジテストがありますので、ここで努力を止めずに、この粘りを続けてほしいですね。(これがそらまるにはとても難しい。テストが終わると即、歩みを止めるウサギタイプだ)
しかし…なぜか今回「英語どうした?」という点を取ってましたね。
そらまる君は70点で、平均が65点です。
国語で30点取ってしまったので、英語がこの程度だと、選抜合格点には引き上げられないでしょう。
今日受けてきた駿台テストでは、英語どうでしたかね?駿台の数学は、中1のうちは難しいので取れなくても、ほぼ皆んなそうなので、英語がどれだけ行けたかですね。
選抜クラス担当講師の話し合いで、そらまる君は英語と数学の2教科で勝負させていこうと決まってますので、もし今回は選抜クラス落ちしても、私たちでお尻叩いてすぐに戻すつもりでいます。」
不合格ほぼ確定予想の立つ生徒には、このように連絡がくる。とはいえ、数学については頑張れたようで、そこだけはホッとしたし、このように保護者と一体となってくれる心強い講師がいることは、これから3年間の、本当に本当に本当に、母の心の支えであった。
この支えが無かったら、常に崖っぷち、ついに3年間首の皮1枚で選抜下位クラスにぶら下がっていたそらまるが早慶を目標にするなど、私一人では確実に途中で諦めていたと断言できる。
【中1・11月】第3回選抜テスト結果
英語 偏差値54後半 評価B
数学 偏差値44後半 評価C
国語 偏差値39後半 評価D
3教科 偏差値47前半 評価C
選抜試験合否判定 不合格
今回敗戦した選抜テスト、まだ合否の結果がでていない駿台テスト、すぐに控えている難関チャレンジテスト、この3つのうち1つでも合格しないと選抜クラスには残留できない。
駿台の合否がまだ確定されていないこの状況下で、1戦目に1敗してしまった生徒は、次に控えた難関チャレンジテストでの勝ちを是が非でも取っておきたいところなのであるが、そらまるの取った行動は、勉強ではなくゲームであった。
選抜テストでの初の不合格にも、なに1つ落ち込むことはなく、「まだ2つあんじゃん、どれか1つは合格するでしょ」と謎の自信、根拠のカケラもない断言をし、プレステの電源を入れたのであった。
根拠なき自信も最大の武器
このそらまるの、根拠なき自信は、この先も、どんな状況下においても、枯れることはなかった。
もちろん、自分の現状を理解できていない、深く考えない、常になんとかなると思っている為ほんとにやばいのに焦らない、心配しないため勉強計画を立てない、逆算の見通しが非常に甘すぎる、などなど、たくさんのマイナス面ではあった。
しかし、この根拠なき自信は、本番のテストで緊張しないという最強の武器でもあった。恩田先生に、いつも言われていたのは
「そらまる君は楽観的で心配をしない子なので、テスト本番でも緊張せずマイペースを崩さない。だからそらまる君は、自分の取れる問題は必ず取れる、演習不足で定着してないものは取れない、今の実力がそのまま結果として出るわけです。
それがそらまる君の強みです。取れるものは落とさず取るということが、入試本番で絶対に必要な力なのです。授業内ではできていても、本番で頭が真っ白になる子や、緊張から普段は取れるものを落として実力を発揮できないという課題を持つ子もいる中で、そらまる君の場合、そこが私たちとしては本当に安心材料で、彼の最大の強みです。」
根拠なき自信を持つ、これは特に男子は多いのではないだろうか。しかし、それはテストだけでなく、生きていく中でも最大の武器になる、このことは親として感謝しておこう。
もちろん、きちんと根拠のある中で自信を携える、自信を持てるまで努力をする、心配だから逆算して失敗のないように準備を怠らない、それぞれが最高の武器であり、それぞれ皆、持っている武器は違う。
親として子供の持つ武器を、分かりやすい武器だけでなく、今はなんの役に立つか分からん武器でも、全て最高の武器だと認めてあげたいものだ。
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