6月前半はテスト祭り週間であった。
(日曜)英検 (火・水曜)中間テスト (木曜)アドバンステスト(ハイレベルテスト) (土曜)選抜テスト対策授業(16時から)(日曜)駿台テスト
このとき、中間テスト対策は「土曜と月曜、自習室でやる」と言っていたそらまるの土曜の様子をお伝えしよう。
【土曜】
・11時半、起床
・スマホを見ながらゆっくりとブランチし、ゆっくりと歯磨きをする
・(すでに)12時40分、やっと部屋へ向かう。
自習室での中間テスト勉強は15時半まで!(16時から選抜テスト対策授業)
残り3時間を切っていた為「早く準備して行け~」とリビングから念を送っていた。しかし聞こえてきた言葉は、私の予想外の(嫌なほうの)ものであった。
「テスト範囲、LINEで聞こ~っと」
は!?今そこ!?
喉まで出かかるも、グッと飲み込み、拳をギュッと握りながら耐えた。ここで騒ぎを起こしては余計な時間のロスとなる。
しかし、そんな母の気も知らず、そらまるは更なる爆弾を投げてよこした。
「ママ~?理科のカラープリントNO.7どこ~?」
「ママが知るわけないでしょう!!ないの!!??」
「1年の時から配られてるプリントって全て取って置かなきゃいけないんだって~。カラープリントNO.7は1年の時もらってるんだって~。ママ、捨ててないよね~?」
「はあ!!??」私は大声を上げた。1年の時のプリントを取って置かなきゃいきないという大事なことを、なぜ君は知らず友達は知っているのか!そういうとこだよ!ほんと聞いてないんだよなー!
「この前あまりにひどい部屋の掃除させたとき、1年生の時のものは保管するなり捨てるなり自分で判断して整理しなさいってママが言って、アナタが自分で片付けたでしょ?そのとき、カラープリントはどうしたのよ!?」
「さあね~。覚えてな~い。」
こんなことは想定内だ。こんなことばかりの息子を持つ私は、いっぱいに捨てられたプリントのゴミ袋や教科書類は、用心のため1年は保管している!
倉庫からそのゴミ袋を持ってきて「この中を探しなさい」と渡した。しかし、そらまるは一向に探そうとしない。
「なんで探さないの!?」
「だって、僕は捨てた覚えないもん。ママが捨てたのに僕が探すなんて、嫌だね」
この言葉に、私の堪忍袋の緒が音を立ててキレた。そらまるの襟足を掴み、ベッドへ思いきり投げ飛ばした!(中2の始めはまだ私の方が力が強かった)
そらまるは投げ倒されたうつ伏せ状態のまま動かない。(←ふざけている)悲しいかな、時間のロスが辛すぎて、私がゴミ袋を漁る。
すると出てきた…カラープリントNO.7!!やっぱり捨てたのはそらまるだったーー!!!
「ほら!あったよ!!早くそれ持って自習室へ行けえええ!!」
すると、そらまるはうつぶせ状態のまま、更に驚愕の一言を告げた…。
「あ、あと1年の時に配られた地理の資料本、2年でも使うみたいなんだけど、学校にも家にもどこにも無くてさ~」
「なぜだ…なぜ、無いなら無いとそれをもっとはやく言わない…」
「家にあるかなーと思ったけど、今見たらやっぱり無いわ」
「それは…テストに必要なのか…?」
「うん、らしい」
「ふざけるなーーー!!!」
なぜだ?何度も言うが、なぜ、今なのだ?
もっと事前に、せめて昨日の段階で家に資料本があるか確認できたはずだ!どうしても無いなら購入するまでの間だけ、学校の先生に話すなり友達に頼むなりして範囲をコピーさせてもらえたはずだ!
それら全てを百歩譲ったとして、そもそもなぜ、テスト前の土曜という大事な日だというのに11時半に起きる?そこからなぜ、ゆっくりご飯を食べてゆっくり歯磨きをする?16時から選抜テスト対策授業だと知ってのその所業…許せない!!!
「とっととベッドから起きて自習室へ行けえええ!!!」と大声で叫び、そらまるを家から追い出したのは、すでに14時に近かった。
結局、今日、中間テスト対策できるのは残り1時間ちょっとかあ…と玄関で肩を落とす母であった…。
やらかした
英検、中間テスト、アドバンス(ハイレベ)テストと終え、土曜はついに駿台テストであった。そらまるの校舎では、駿台の自己採点をさせるためにテスト後は校舎へ立ち寄ることとなっているため、そらまるが帰宅したのは夕方に近かった。
家のインターホンに映るそらまるの顔は鬼の形相であった…。
「クソ!!!数学やらかした!!!
約分し忘れたーー!!簡単な問題もくだらないミスした!!それで15点落としたーー!クラス落ちるわ!決定だわ!駿台A合格しなかったら、僕もう早稲アカ辞めるからな!」
「まあさ…まだ選抜テストと難チャレが残ってるよ。まだ分からないよ」
「チャンスはあと2回!その2つともA合格以上なんて無理に決まってんだろ!そんな甘いもんじゃないんだよ!!」
そして、座布団やクッションを床に叩きつけ、号泣した。一応、柔らかいものを選んで投げている。
しかし、周りはあれだけ伝えてきたのだ。駿台偏差値55以上、選抜テストと難チャレでA合格以上、このうちの2つをクリアしなければ早慶上位クラスには残留できないのだと。
今のそらまるの宿題の取り組み方は「分かったつもりの状態」の時点で宿題を終わらせてしまう。それではA合格は取れない、宿題を完璧に仕上げて定着までさせてくることこそがA合格への道だと、ずっと見守先生がそらまるに伝え続けてきているのだ。
そして、本人も分かってはいるのだ。「そんな甘いもんじゃないんだよ!」と。
そんな我が子に、親なら誰しもがこう想うのではないだろうか。「分かってるなら勉強してくれ…」と。
ここまでクラス残留に拘り、ここまで悔し泣きするそらまるは、その後も「悔しがり方は激しいが解き直しはしない」「変わらず宿題を定着するまで完璧にしていかない」という状態が続いた。
これに関しては、ほぼ最後まで続いた。
しかし、ここで着目したいのは「悔しがる」という部分である。自分がやらないくせに、私の前でひたすら怒って暴れて号泣するという甚だ迷惑極まりない部分ではあったが、この「悔しい」という感情はしつけやお金では手に入らない持って生まれた才能の1つである。
受験が自分事となったとき、この「悔しい」という感情は大きな原動力の1つとなる。今はまだ、このエネルギーを使いこなせておらず「勉強はしたくない、でもクラスには残りたいし合格もしたい」という駄々っ子の状態であるが、いつか大きな役目を果たす大事な感情の1つなのだ。
もちろん、私もこの駄々っ子を目の前にイライラはした。しかし、「こんなに悔しがるって、いいもん持ってるなー」とは奥底では信じてもいた。
テスト祭りの結果
【5月・第2回アドバンス(ハイレベ)】
英語 偏差値58 数学 偏差値50 国語 偏差値46 3科 偏差値52
【6月・第3回アドバンス(ハイレベ)】
英語 偏差値64 数学 偏差値33 国語 偏差値29 3科 偏差値39
アドバンステストの成績はクラス分けには関係ないため、そらまるはアドバンステストの成績に関しては最後まで一切気にしていなかった(先生には非常に怒られていた)
【6月・中2第1回駿台テスト】
英語 偏差値65(A) 数学 偏差値37(D) 国語 偏差値38(D) 3科 偏差値47(C)
【6月・中2第1回選抜テスト】B合格
英語 偏差値57(A) 数学 偏差値55(B) 国語 偏差値53(B) 3科 偏差値57(A)
早慶上位クラスの基準は(※当時のものです)
①駿台偏差値55以上、選抜テストA合格、難チャレA合格、このうち2つのクリア
②3つのテストのうち2つアウトの場合は、S合格1つでクリア
このどちらかで残留である。
そらまるは、駿台が偏差値47、選抜テストがB合格、というわけで難チャレでS合格を取る以外、クラス落ちが確定となる。
S合格…さて、どうなる、そらまる!
そこから15時半まで対策することとなったが(16時から選抜対策授業のため)