以前の記事の中で受験を競馬のレースに例えた。まさにそらまるは、追い込み馬気質。
逃げ気質、先行気質、自在気質の受験生達から大きく後れを取っている状態のまま、ついにレースは直線に入った。
お尻を叩いても叩いてもマイペースを崩さなかった追い込み馬そらまるの目に、2月10日というゴールが映った。それが1月20日であった。
追い込み馬気質の子の多くは、親や先生に言われたタイミング、周りの子達が頑張り始めたタイミングなどではペースを変えない。自分がゴールを意識したとき、そのときこそが、そのときだけがタイミングなのである。
追い込み馬気質の子を持つ親は、このタイミングが来るのをただただ観客席から見ているしかないのである。なにしろ、何一つこちらの指示など通らないのだから。
本当に胃の縮む、ハラハラヒヤヒヤの3年間なのである。
タイミングがキター!
1月20日、ここでついに、そらまるは自分の立ち位置に気づいたわけである。
1月から早田先生に3回の授業を受け、成人の日に挑んだ早慶シミュレーションテストでの惨敗。その段階でも「早田先生の回数を増やそうか?」と提案する母に「いらん。あのくらいの解き直しなら自分1人でもできるから」と言って増やすことなく、その後2回だけ早田先生に見て頂いていた。
しかし、早慶シミュレーションテスト後から1月20日までの間、そらまるが校舎で受けてくる早慶過去問は、全て20点~30点であった。ここでついに気づいたのだ。
あれ?全然解けるようにならない。
え?これ、間に合わなくない?
僕、不合格になるかも!!
ここに、今やっと辿り着いたのだ。こんなことはずっと恩田先生を筆頭に早稲アカの先生たちから呼ばれ、何度も何度も言われ続けてきたことであるが、そらまるのザルフイルターにはなにも引っかかっていなかったのだ…。
まさに、そらまるの気づいたこのときだけがタイミング!
観客席に3年間座って観ているしかなかった母の飛び出すタイミングはここなのだ!
私は即座にそらまるに提案した。
「早田先生を週1でなく、最後の早慶チェックテストに向けて毎日のように来てもらえるか聞いてみようか?」
そらまるは「うん」と即答した。
大切な気づき
早田先生は、たくさんの生徒さんを持っているため、この時期に毎日呼べるかどうか、実は心配ではあった。しかし、ねじ込んでもらいたい!その一心でご相談した。
すると、大学受験生(医学部志望)を主に受け持っているので、1月末であれば時間は取ってもらえると承諾して頂けた。そして、こう付け加えられた。
「お母さまの方からご提案して頂けて有難いです。可能であれば固めるところは固めたかったのですが、そのために日程を増やしてほしいなど申し上げるわけにもいかないので。」
なぜ、早田先生が「日程を増やしてほしい」とは、そう簡単に伝えることができないか。それはそこには授業料が発生するからだ。
決して安いわけではないその授業料は、家庭の事情によってそれぞれが日程を決めてお願いしているものであるからだ。
しかし、私は母VS恩田先生とスナフキンパパの戦いの際、家庭教師の料金は私が自分で全額支払うから口を出さないで頂きたいと宣言(大絶叫)したのだ。
私は、そらまる馬がついに目覚めたここで我が貯えを出さずして、この先なにに使うというのかと信じて疑っていなかった。
そこで、早田先生との日程をすりあわせ、まずは早慶直前チェックテストに向けて5日連続で来て頂くことにした。毎朝、9時から11時で授業を行った。
そらまるはこの5日間の間にも、もちろん校舎では過去問を解いていてた。
迎えの車の中で、慶應義塾高校36点だったという残念な報告を受け「ほんとにここから20点あげることなんてできるのかな」と珍しく弱気な発言をしていたが、それだけでなく
「僕は「そらまるは問題を解くとき暴走する」ってよく言われて来たんだけど、どこが?って今までは分からなかった。でも、今日早田先生と勉強してるとき、確かに暴走してるときあった。そこに初めて気づいた」
という気づきの発言をしてきた。連続で受ける早田先生の授業によって、確実にそらまるは成長していた。この気づきは、非常に大きな気づきであった。
暴走。それは、そらまるが中1のときから、見守先生に言われていたことだった。
「途中からとんでもない方向に向かいだし、びっくりします。どこ行くんだ!と。そしてとんでもないとこに着地して、それにすら気づいてない。
でも、とんでもない方に進み始めたとき一声かけると、はっと我に返り「あ、そうか」と正しい方に向かい出して解けるんです。本来は解けるのに、非常にもったいない。だから暴走するなって言ってるんです」
この暴走癖が、中3の1月まで続いていたというわけだ。
この暴走するという指摘は、そらまる自身は大した問題ではないとスルーしてきたのだろう。(大人のアドバイスを聞かない子アルアル)
しかし、それはそらまるにとって致命的な部分であったのだ。そしてこれは、数学だけではない、国語にも影響していたとも言えた。
途中から自分の世界に入り込んでいき「こうだろう」と勝手に予想して(暴走して)解く癖があったからだ。(国語の解けない子には、こういう癖があることが多いと言われた)
そこに気づけたのだ。
これは、受験だけでなく、今後のそらまるの人生にとっても大きな気づきであったはずだ。
落ち込んでる暇などない
5日間を終え、いよいよ明日は早慶テスト第二弾の早慶チェックテストだ。早田先生は授業を終え、帰り際にそらまるにこう伝えた。
「そらまる、明日の直前チェックテストは点数を気にするより、解き直しに力を入れてね。そりゃ、得点できる方がいいけど、今は点数に一喜一憂しないこと。
解けなかった問題を、本当はできたものと全然分からないものに分けて考えて。
塾の解説を聞いても分からなかったものは、次の授業で私が説明するからね。」
これを、そらまるの後ろで聞いていた私は、これはまさに私に必要な言葉だと胸に刻んだ。
この直前チェックテストは、かなり私のメンタルを破壊する恐れがあるテストだと自分自身で心配していたからだ。
私は自分にこう言い聞かせた。
もし、ここで取れなくても
ただ淡々と受け入れて、当日まで応援するのみ。
今更、ごちゃごちゃ落ち込んでる暇はない。
試験会場で戦うのはそらまるなんだから
次の日、そらまるは淡々とテストを受けに校舎へ向かっていった。
そして、その日の夜、結果は出た。
【早慶直前チェックテスト結果】
数学 偏差値50 (前回より11↑)
英語 偏差値54 (前回より3↓)
国語 偏差値43 (前回より11↑)
3科 偏差値49 (前回より8↑)
伸びたーーーーーーーーーー!!!!!
早慶受験者層のだいたい真ん中に位置していることになる!ということは、もう早慶下位クラスのビリではない!下位クラスの上位に位置する状態である!
これなら、1勝が見えてくる位置だ。たまたまとか、安心はできないとか、もちろん言われるだろう。しかし、そらまるは、やはり土壇場で力を発揮するタイプなのだ。
自分のタイミング、自分がもうやらねばマズイと感じた時だけ、先生との授業に集中し、解けるようになるために必死になるのだ。
早田先生から学ぶ5日間の授業を、そらまるは絶対20点アップできるようになるという強い意気込みを持って集中して挑んでいたのだろう。
今までもそうである。日ごろの授業や宿題の取り組みは酷いものであったが、クラス分けテストのときの補習授業を1週間受けるそのときだけは、クラス落ちしたくないから必死で集中し、なんとか理解して首の皮の繋がる3年間だった。
まさに、最後まで、それがそらまるだった。これが、このときの等身大のそらまるだったのだ。
もちろん、高校ではそんなもん通用せず、留年に至ったわけであるが。
とにかく、この本当に最後の早慶受験者層内での立ち位置を知るテストという緊張感あるテストに、メンタルで負けることなく、そらまるは取れるものを取り、現段階での自分の実力を発揮できたのだ!
簡単だったからじゃないか?というそらまるに、私はこう言葉をかけた。
テストという緊張感の中、自分の取れるものを取りこぼさないこと、これこそが合格への鍵なのだよと。
さあ、この結果を胸に、いよいよ、初戦である立教新座へ向かう。いよいよ始まる。
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