そらまるは、これまでの定期テスト人生の中で、1番頑張ったと思う。初めて、一夜漬けとノー勉から卒業したのだ。テスト前の土日を活かし、現代社会の暗記に4時間ずつ費やした。そしてテストまでの平日は、数Aに4時間、生物に4時間!
しかし、後に発覚した。その他の教科はノー勉であった(ーー)
爆音からの卒業
中学生編にはまだ記していないが、そらまるの大きな悪習はまだあった。それは、爆音を鳴らしながら勉強するということだ。
「音楽を鳴らす」ではない、「爆音を鳴らす」のだ。しかも、歌っているのだ。歌いながら暗記物に目を通す、歌いながら計算する。
もちろん、こちらも全力で「そんなことで頭に入ると思ってるのか!」と戦い続けた。ワセアカにも何度も相談し、何度も注意を促してもらったが「爆音が流れていないとやる気にならない。」と言って、ついにやめなかったのだ。
大嫌いなのだ、勉強をするのが。その大嫌いなことに取り組まねばならないのだ。そこには爆音が必要なのだと、そらまるは言うのだ。
しかし、この中間テスト対策中は、ピタリと音が止んだ。数Aだけは、爆音ではない中音程度は流れていたが、その他の暗記が必要な教科に対しては、音が無い!
そして、暗記は雑誌に目を通すかのように目で見るだけ法から、書いて覚えたり、マーカーを引いてシートで隠しながらブツブツと覚えている姿!
これこれこれ~!やっと、勉強の仕方が「ふつう」になってきたことに、母はとにかく嬉しかった。
中間テストの結果、そんなに甘い世界でないことを知る
しかし、テストが返却され始めると現実が明らかになってきた。
まず、嫌いではない教科の数Aで平均点マイナス20をたたき出してきたのだ。帰宅しドアが開くなり、鬼のような形相のそらまる。「あ…やばかったんだ…」と秒で察知できた。
部屋に入るなり「勘違いして計算ミスで21点落とした!それが無ければ平均点行けたのに!クソが!」とカバンを床にたたきつけていた。
なんとか聞き出せた範囲の中間テストの結果は、国語平均点よりマイナス30、数学平均点よりマイナス20、現代社会平均点よりマイナス35であった。平均点よりマイナス20以上は赤点と言われているため、分かる限りの教科全て赤点である。
聞き出せていない他の教科も、後に通知表を見たとき、もれなく赤点だったであろうことを知る。大丈夫だったのは、大得意である英語くらいであった。これだけは塾高でも通用した。
この時点ですでに「留年」という文字がみえた。しかし私は、ガッカリはしたし心配や不安は浮かんだが、取り組む姿勢を見せたそらまるに、怒りはなかった。
中学の時のそらまるは、一夜漬けやノー勉ばかりして2を取っていたわけだが、今回のそらまるはそれとは違う。
1教科に対し、7,8時間は勉強していたのだ。(まだまだノー勉教科のほうが多いが、自分なりにやらねばマズイと思う教科には取り組んだわけだ)
ちゃんと暗記する姿勢も見せていた。とても成長したと感じた。
だがしかし、問題内容を見ると、ほとんどの教科が暗記だけでは通用しない記述問題が7割程であることが見て取れた。
暗記も必要だが、その1つ1つに深い意見の記述を求められている。その背景からなにから理解していないと述べられないのである。
そらまるがなんとなく答えている薄っぺらな記述には、容赦なくバツやマイナスをくらっていた。
勉強自体を教わるというより、塾高特有のテスト対策の仕方を教わる必要がある
そこで母は悟った。これは、授業で配られる大量のプリントの内容を、表面的に理解だけしている程度では取れない。
自学で更なる深堀りが必要で、テストではそこを求められているのだ。教科書にもプリントにも書かれてはいないが、それに派生する事柄についてまで問われていることでも、それは明らかだ。
ここは、すでに大学の練習の場だと担任の先生が仰った大きな意味の1つは、学習への取り組み方においてであることを改めて理解した。
しかし、公立中学校での定期テスト勉強すらしてこなかったそらまるに、このような高度な勉強の仕方を求めるというのは、例えるなら、マットの上ででんぐり返りすらできない子に、空中宙返りを飛べるように練習しろというようなものである。
そこで、母は考えた。勉強自体を教わるというより、この学校特有のテストに向けての取り組み方を教わる必要があると。
そこで、そらまるにこう提案した。「テストに向けて、どんな風に勉強するのか、どんな風にプリントを活用するのか、個別か家庭教師の先生を頼んでアドバイスもらったらどうかな?それさえ習得できたらすぐ止めて、そこからは自分でやればいいんだし。」
しかし、そらまるからの即答は「黙れ」であった。
何も頼る必要はない、自分は一人でできる
そうだ。そらまるはワセアカも大嫌いであった。もちろん、だからと言って先生に悪態などをつくわけではないが、ワセアカに通う意味がない、教材さえあれば家で一人でできるとずっと言っていた。
その発言は、母やワセアカの先生達からしたら、コツコツ取り組める口が言うことであって、一夜漬けやノー勉のどの口が言うのかとしか捉えられていなかったが、とにかく、そらまる自身は自分は一人でできると思い込んでいるため、今回の中間テストの赤点祭り程度で、この思いは全く揺るがなかった。
しかし、今回テスト対策に取り組んだ教科は、数A、生物、現代社会の3教科である。残りはノー勉だ。
そこには国語も含まれる。漢字が25問、25点はやれば得点がもらえるラッキー問題なわけだ。上記で、国語が平均点からマイナス30と記したが、もし漢字が全問正解であれば、平均点からマイナス5であったわけで、そしたら、赤点ではなかったこととなる。
のちにこの件で、担任からも驚くべき事を言われたのだが、「今回のテストで、漢字はクラス全員が全問正解で、9問しか取れていないのはそらまる君一人でした。」と…。
そらまるに足りていないのは、空中宙返りの勉強の仕方だけではなく、1番の深刻な問題は、準備体操すら手を抜きまくるという意識の低さであり、これがのちの悲劇に繋がっていくのである。
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