中1、8月。3泊4日で早稲アカの夏合宿へ参加した。そらまるにとっては、先生と母によって無理矢理参加させられたものであった。
宿題はいつも当日やっつけで、意識の低いそらまるは、コツコツ積み上げるような漢字などは一切しないため、毎週の確認テストで0点を平気で叩き出していた。(クラスの皆は9割以上を取っている中)
この状態を見た国語担当の副塾長先生から、そらまると母は面談に呼ばれ、夏合宿の参加を勧められた。しかし、そらまるはモジモジしながら自分でやりますと拒否。
副塾長先生は「自宅学習ができていて、自分で点が取れる子なら参加しなくていいと先生も思う。だけど、それが出来ていないそらまる君のような子ほど、絶対に参加して欲しいんだ!」
夏合宿とは、目で見て体感することが目的
「そらまる君は自分に甘い。だから、こんなに点が取れなくても勉強しようとしない。
早慶を目指す以上は、勉強をやりたくないからやらないなど許されない、勉強はやらなきゃいけないものだという意識を持たねばならない。そらまる君はその意識が無さすぎる。
合宿では勉強漬けを経験する。そして、合宿には自分の校舎のいつもの仲間たち以外に、関東全校舎の生徒たちが集まり、皆がライバルとして必死に頑張っているという実態を自分の目で見て体感することになる。その経験が、今のそらまる君にとって必要だ」
もう、NOとは言えないそらまる。その場では受け入れたが、帰りには私を睨みつけながら「僕は子供だから、いくら嫌だと言っても先生に聞いてもらえないけど、親が「参加させません、お金払いません」って言えば、済む話だろ!先生とママでグルになって無理矢理行きたくもない合宿に参加させやがって!!」と怒り狂っていた。
そして、猛烈に嫌々、夏合宿に参加したのであった。
夏合宿から帰宅したそらまるに変化は
早稲アカの夏合宿は熱いで有名だ。朝から勉強漬け、ハチマキを巻き、熱い先生達が叫び、仲間と切磋琢磨し、帰ってくる頃には、目の色が変わっていると言われている。
帰りのバスが、保護者の待つ場所に到着した。一人二人と降りてくる子供達、自分の母親を即座に見つけ、その顔は笑顔で満ち溢れていた。目の色が変わっているかまでは分からないが、子供たちの表情は皆、清々しい。闘志漲るハチマキを巻いたままの子供もチラホラいる。そして、そらまるが降りてきた。
その顔は、鬼の形相であった。怒りに満ち溢れ、恨みのこもった恐ろしい目つきで、私を睨みつけながら降りてきた。
そらまるに駆け寄ると「一生許さないからな。やる気のない僕にはなんの意味なかった。授業もぼーっとして聞いてなかったから全然分かんなかったし。こういうものは、やる気ある子に意味があんだよ。僕は何度もそういっただろ」と、周りに聞こえないよう、小さな声で言われた。
帰宅してからのそらまるは、合宿で切磋琢磨していたであろうライバルたちの影響など、1ミリも受けてはいなかった。
次の日からはすでに、朝から寝るまでゲーム、スポーツ中継を見て過ごす生活に戻った。
勉強など1秒もしない!
いい加減に中学校の宿題なり、早稲アカの宿題なり手を付けろー!!と母の怒鳴り声だけが響き渡っていたが、そらまるの特徴として、怒られれば怒られるほど、強固な絶対にやらないを発動する。
かと言って、言わなきゃ言わないで、勉強しない。そう、どちらにしろ、しないのだ。
恩田先生にあれだけ言われた「どちらにしろやらなのだったら言わないでください。家は平和を保ってください」しかし、私が選択したのは、怒鳴り散らすほうであった…。
耐えきれなかったー!!
さて、その後のそらまるに、1ミリの変化もないと思われたが、合宿後のCT(毎月全生徒に行われる学力診断テスト)で、1番苦手である国語が伸びた。
「効果はありましたね。そらまる君は、CT(学力診断テスト)の国語は、基本は偏差値40あたりをウロウロ、良くても53あたりですが、合宿後のCTでは偏差値63でした。
これなんです。コツコツ取り組めばこうして結果に結びつく、これをそらまる君に体験して欲しかったので、合宿に参加した意味はあったということです。」
夏合宿に向く子と向かない子の、我が家の結論
副塾長先生は、そう仰ってくださったが、この頃のそらまるは、テストの結果など全く気にしておらず、勉強したら国語が伸びた!という、そもそもその意識自体が湧いていなかった。
興味がないのだ。
そらまるの興味は、ゲームとスポーツ中継にだけ向いており、勉強に関しての点数や順位にはゼロだった。
母としては、夏合宿でその意識や興味への目覚めや、競争心への目覚めなどに期待していたのだが、そらまるにこの時点でのそれらの目覚めは、残念ながらなかった。
たくさんのライバルがいることを、目でみて体感して、皆の頑張る姿に自分も負けていられない!頑張るぞ!
これには、周りを意識できる子であるかどうかが鍵である。自分軸で生きるタイプには、この相乗効果は期待できない。
そらまるは絶対的後者であり、ライバルが頑張っているとか、そんなことは目にも入らない。焦りもしない。とにかく人に影響を受けないのだ。
ただし、勉強漬けにされた分、成績にはやった分だけの色が付いた。しかし、意識は培われなかったので、夏合宿分の貯金が尽きたら、国語の成績は元に戻った。
それ以上でもそれ以下でもないそらまるであった。
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