[中3・11月】受験期回想⑦早稲アカ最終保護者面談3 - ポジノー勉〜ポジティブ・ノー勉~

[中3・11月】受験期回想⑦早稲アカ最終保護者面談3

中3

そらまるが早慶の中で一番受かりやすいのは、早大学院(早稲田大学高等学院)という恩田先生は、話を続けた。話を進めていくうちに、私と恩田先生はいつもの穏やかな空気に戻っていた。

私が恩田先生を信頼している理由はこれだ。意見があるときは母親であろうが本気でぶつかってくる。私は、そらまるのことを相談する中で、何度も本気でお説教されたことがある。

良い時は、明るい声で、悪い時は、冷たい声で(怖い)、いつも本気で向き合って下さるからこそ、強い口調になるときもあり、話が済めば、また穏やかな恩田先生に戻る。
そんなメリハリのある、裏表のない恩田先生だからこそ、私は心から信頼していた。

1発がある子

恩田先生が、なぜそらまるには早大学院だと言ったのか、理由はこれだ。

他の早慶の合格ボーダーは200点ですが、早大学院の問題は3教科全ての難易度が高い為、合格ボーダーは180点です。ですから、3教科バランス良く取るタイプの子は、全ての教科に得点できないという結果になる可能性があり、そらまる君のような1つ抜き出てる教科を持つ1発がある子のほうが、難易度の高い英語でも得点できるため、早大学院が受かりやすいと言えます。

例えば、英語で90点出せたら、あとは2科で90点出せばいいんですから。



保護者会では、早慶全勝には、2強1普であってほしいと言われていた。(早慶上位クラスの生徒はここに値する)
そして、全敗または1勝をもぎ取る子であれば、2強1弱か、1強2普であってほしいと。(早慶下位クラスの生徒はここに値する)

そんな、全敗または1勝をもぎ取る下位クラスの中で、そらまるは、1強2弱であったため、常に次こそ落ちる次こそ落ちると言われ続けながら、下位クラスの中のビリかブービーを死守してきた。

しかし、そらまるの1強とは、英語だけは開成国立クラスの生徒にも、負けじ劣らず並みの1最強タイプであったため、早慶の問題なら当日90点を出すという可能性はそこそこあった。
であれば、合格ボーダーが180点の早大学院なら、数学で50点、国語で40点または、数学で60点、国語で30点取れたらと、可能性が見えなくはないのである。
数学がここからどこまで伸ばせるか、当日、国語がどこまでドボンせず済むか、国語においては、その日の問題内容次第という運任せである。
※この合格ボーダーの数字は、過去の数字であり、現在のものではありません。ご自身でご確認お願いいたします。

それから、早大学院は3教科プラス小論文ですが、小論文は1教科に相当するくらい点数が付きます。そらまる君に、小論文対策を受講してほしいのは、これに当たります。
小論文の書き方を対策している子と、対策していない子の小論文では、差が付き、点数がはるかに違ってきます。


そらまるは、とにかく国語が取れない。中学校での作文などは、小学生の書くような文章であったし、字も汚いし、そして、内容はいつもふざけていた。昔から、どうしても、読み手(先生やクラスメイト)から笑いを取りたい気持ちが勝つのだそうだ。
しかし、中学では内申に関係するから、とにかくガチガチに真面目に書けと言っても、作文と工作は、最後まで笑いを取る方に走っていた。

そらまるは、後期から始まる早稲アカの作文ゼミを取るよう言われ、週1で通っていたが、赤ペンで添削された作文を読み返すことは一切なく、であるからして、書き直して再提出するということも一切なく、カバンの中にそのまま眠らせていた。
添削されたものを読み返さないということは、ただただ書きっぱなしということであり、1分1秒すら意味ある時間にしなければならないあの時期に、作文を書くために1時間削っていたあの作文ゼミは、そらまるには、ほとんど意味はない時間だったと断言できる。

しかし、あの頃は、藁をもすがる思いで、早稲アカから取るように勧めたれたものは全て全制覇していた我が家であった。これは、とてもよくないパターンである。添削を読み返し、書き直すところまでできるからこそ、意味ある作文ゼミなのである。それができていないのだから、すっぱりやめて別の方法を模索することが、我が家には必要であった。


恩田先生は、更に、昨年のそらまるのような怠け者生徒の話を始めた。

昨年も、そらまる君みたいな怠け癖のある子がいて、その子は夏の志望校判定で選抜クラスに上がってきました。

しかし、自習室はサボるわ、とにかくだらしなくて、そらまる君みたいな子でしたが、その子は、国語に光るものがあると、以前から講師間で話が出ていて、冬休み以降、自習室に閉じ込めて付きっきりで国語をやらせたら、メキメキ伸びて、早大学院に合格しました。

その子は、国語で90点を取りました。しかし、英語と数学は最後まで合格点よりマイナス10でした。
やはり、そういう1発が出やすいのが、早大学院です。そこに小論文も加わりますしね。

慶應志木や、慶應義塾には、こういう1発はありません。」

問題の相性

そんな1発ボーイ仲間の話を聞かされ、慶應にはそういった1発はないと言われ、私は少し前から自分の中で疑問に感じていたことを質問した。

「なるほど。早大学院ですか。そうであれば、先生は先ほど、そらまるは早慶合格率は10%と仰られましたが、学校により合格率は少し変わってきますよね?

そらまるが過去問を解くようになってから考えていたのですが、問題の相性で、早慶それぞれの合格率も、変わりますよね?

例えば、過去問で明治が取れない、志木や本庄もイマイチ。でももし、塾高は他よりけっこう取れているなら、塾高の合格率は、明治や志木、本庄よりも上がりますか?どう考えられますか?」

まあ、そういうことは言えます。塾高の過去問は解かれましたか?

「はい。昨夜、1番古いとこから解くと言って解いてました。」

何点取れました?

「67点です。」(数学)

すると、恩田先生は、非常に驚かれた。

え!!!そんなに取れましたか!?解くのは1回目ですよね?そんなに???


この話の展開で私が感じたのは2つだ。1つは、やはり問題にはかなり相性があるということ。そして、もう1つは、絶対行きたい学校の過去問を解くときの本気度の違いである。

これは、そらまると同じようなタイプのお子様を持つお母様なら分かって頂けるだろうが、好きなことしかやりたくない、好きなことだけには集中力がすごいが、興味のないことまで満遍なくそつなくこなすことができないタイプの男子には、非常にアルアルである。

本人の中で本気度もテンションもまるで違うため、行きたいと思う学校以外の過去問を解くときの、集中力、粘り強さ、火事場の馬鹿力力など、あらゆる力が極端に下がるのだ。

しかし、そこは塾側としては、目の前に出された点数でしか判断できない。その子の持つ特徴を全て把握し、しっかり加味して考えることまでは、そりゃあできない。
この部分は、その子を育ててきた親にしか理解や判断のできない部分であり、だからこそ、塾や学校から言われたことやテストの結果だけを、丸ごと鵜呑みにして振り回されるということのないよう、親としての判断の芯を持っていることも大切ではないだろうか。

自己採点が甘すぎる件

恩田先生は、驚きながら、しかし、そう簡単には信用はしなかった。なぜなら、そらまるは、採点者として、見間違えや甘々すぎという最も失格な自己採点の過去を持つ男だったからである。

あ、でもそらまる君は、しょっちゅう採点ミスするからなあ。この前は、中大付属を80点と言って提出してきましたが、私が採点しなおしたら30点でしたから。
普通に間違えてるのに、正解にしてたり、国語の記述なんて「甘々の甘々で採点してる!」と国語担任が倒れてましたよ(笑)

ほんとうに、67点取れてましたか?


と、しっかり疑われていた。がしかし、昨夜そらまるは「今から塾高の一番古いのを解く。時間になったら呼んで」と言って、私に解答を渡し、自分の部屋で解き始めた。部屋をチラっと覗くと、カリカリと解いている真剣な後ろ姿であった。

そして、時間終了とともにリビングにきて、私の前で採点していたため、カンニングということはないと思われると伝えると

それは、分かっています。そらまる君は、嘘をついたり、ごまかしたりすることは一切なく、堂々とやらない子、堂々と0点でしたと言う子なので、そこは全く疑っておりません。
ただ、天然に見間違えていたり、正解していると思い込んで〇していたりがよくあるんです。

1回目で、6~7割取れていたら、かなりいいですよ。ただ、塾高は、簡単な年と難しい年と波があるので、コンスタントに6割以上取れているなら、合格率は高くなります


というわけで、帰宅後早速、恐る恐る採点し直してみると、67点は62点だった。(2aを2と書いているものが〇にしてあった)自己採点とそこまで誤差がなく、私は、一人リビングでホッと胸をなでおろしたのを覚えている。

大学受験を視野に入れているか


その後も、そらまるはやはり、数学だけでなく、国語も、明治、中央、早稲田、志木の中で、塾高が1番取れていた。
国語に関しては、ほかの学校は3割程度な中、塾高なら5~6割は取れ、母としては明らかに相性の良さを感じたが、早稲アカからそう認めてもらえることは、最後まで1度もなかった。

なぜなら、日曜必勝や、通常授業での理解度テストでは低迷の一途を辿り、模試やアドバンステストで出る早慶合格率は圏外であったからだ。


中学校から帰宅したそらまるに、恩田先生から「今の状態なら、早慶合格率は10%で、塾高の入試日に中大付属への変更を提案されたよ」と伝えると、「ブッ!笑 マジ?」と笑って、気にする様子はなく、鼻歌を歌いながら冷蔵庫を開けてジュースを取り出した。
「でも「受けない選択肢だけはない」と伝えてきたよ」と付け足すと、そらまるは「そりゃ、そうでしょ」とあっさり答えた。

やはり、そらまる自身の慶應義塾高校を目指す気持ちは、全く消えていないということを、この短く真剣味のかけらもない会話の中でではあるが、再確認できた。


こうして、我が家の最終保護者面談は幕を閉じ、現実をしっかり受け止めることができた。
この最終保護者面談で、塾からのデータを通してのアドバイスにより、日程を変更するご家庭も多いことはお伝えしておく。堅実な選択である。
我が家の場合、母子共に(スナフキンパパは常に微妙であった)合格でも不合格でもどちらの結果でも受け入れる、大学受験で再チャレンジする、という意思が明確であったため、チャレンジという道を選んだのであって、これは本当にご家庭それぞれの考え方によるものである。

やはり、大学受験を視野に入れるか否か、ここでご家庭の進め方は大きく変わっていくのであろう。



長くなりましたが、最後まで読んで頂けた皆様、有難うございました!

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